相手の文化、風習、慣習は尊重する

旅行するときに気を付けているのが、現地の文化、風習、慣習、ルールを尊重する(否定しない)ことです。

2007年5月 L.A. サンタモニカ

と書くと事前に入念な調査をしているように聞こえますが、実際は(1)禁止されていることはやらない、(2)推奨されていることには従う、(3)地元の人の真似をする、だけです。

また、旅行ではありませんが、転職者へのアドバイスとして言われるのが「新しい会社に馴染む」ための重要なことで、「前職のルール・慣習・常識を持ち込まない」ということがあります。これは、旅行でも一緒ですね。「私の国ではこうだった」と自国のルールを主張する旅行者は嫌われます。

日本に来る観光客でよく話題になることのひとつに「刺青」があります。文化として刺青を入れる国から日本に来たときに、銭湯や温泉で入浴を拒否されることがままあります。この場合、その方の生活している国では刺青には文化的・慣習的な意味がありますので否定する必要はありません。ただ、だからといって日本の銭湯や温泉がルールを曲げる必要もありません。日本での刺青は罪人に印を付けるために使われていたこともあり、良くない意味を含むことが多々あります。そのために、肌が露出する場面では拒否感が強くなっています。

また、2021年開催の東京オリンピック前に、外国からのお客様が不快に感じることがないようにするべきというマナー講師の主張をテレビ番組で見たことがありました。そのひとつに「麺類を音を立ててすする」ことをやめるべきというものがありました。これもまた、自国の食文化を否定するおかしな意見でした。

日本に来られる方の文化・慣習は尊重しますが、同じように日本の文化・慣習も尊重するべきです。日本人が外国に旅行する場合は、立場が変わるだけで同じことです。もし、相反する場合は、現地の文化が優先されるべきです。旅行者は一時的な滞在者であって、その場所をつくり、守ってきたわけではないからです。「郷に入れば郷に従う」という言葉がありますが、まさにその通りです。

1980年代前後の日本はバブル景気と呼ばれる、超好景気に浮かれていました。ヨーロッパのファッションブランド店に日本人が溢れ、日本の会社がアメリカのロックフェラーセンターを買いましたし、JR山手線内側の土地代でアメリカ全土が買えるなどと言われていました。その辺りの時代まで、日本人は国外でのマナーが悪かったのだと思います。経済的な効果としては歓迎するが友達にはなりたくない、外国からはそんな雰囲気を感じました。

日本に来られる方の中には、その当時の日本人を思い起こさせる方もいらっしゃいます。いずれ、成熟して大人の振る舞いをしてくれることを期待しています。

まだまだ限定的ではありますが、海外旅行が再会されつつあります。これから旅行するときに、浮かれすぎて「旅の恥はかき捨て」とならないように、自分への戒めも込めて記事を書いてみました。

Updated: 2022年6月24日 — 12:40 AM